高尾山、陣馬山で木階段をつくっています。

既存の登山道は木杭と丸太による、よくある階段です。

このような階段は雨が降るとぬかるみ、水たまりになってしまいます。

 

  

 

しかも登山者数が年間300万人と世界一を誇り、ミシュランガイドで三つ星の観光地に認定されている高尾山です。

露出した木の根や貴重な植物も、踏み荒らされてしまわないよう整備が必要となっています。
 

 

私たちが提案させていただいた階段は、既存の丸太階段を残しつつ

杭式基礎(螺杭)を使って、そこに被せるように鋼構造の骨組みをつくり、

多摩産材の防腐処理したヒノキ材を段板に用いる工法です。

これにより撤去の費用や産廃処理費用を節約し(山の運搬は経費がかかり大変なのです)

鋼構造で耐久性のある階段下地を組み、雨水は階段下に流す。

既存の丸太階段は土留めの機能を維持します。
 

 

天然木である段板は土と接しないので、乾きやすく長寿命化が図れます。

さらに何十年か後に木材が傷んだときには、上板だけ交換すればよい。

多摩産材ヒノキは天然由来の防腐処理ですので、10~20年くらいで交換が必要となるでしょう。

(天然由来なので廃棄する際も産業廃棄物とはなりません。)

こうして地場産材ヒノキの循環を図り、林業のサイクルを維持することも

この階段構造の提案にひそかに込められた狙いです。

 

なによりも、段差が一定なので登り降りしやすい!

もちろん左右の脚で交互に登れるよう、階段の踏み幅もそれなりに考えています。

なので、片足ばかり疲れるということもありません。
 

 

3月末には工事完了し、開通予定ですので、ぜひ快適になった高尾・陣馬山登山を

お楽しみくださいませ!