人気の観光地でもある横浜みなとみらいから、赤レンガ倉庫へと散策できるボードウォークがあります。
もともと貨物輸送のために敷かれた鉄道のレールを保存しながら、枕木の部分にデッキを敷き詰めた歩道です。
この歩道が老朽化のため、改修工事を実施することになりました。
事前の調査で根太の木材が傷んでいることが判明しましたが、床板はまだ再利用可能と思われました。
床板はイペ材の45mm。いまでは入手困難な厚みの材を贅沢に使用しています。
この貴重なイペ材をできるだけ再利用しながら、下地鋼構造の耐久性を高め、
さらに機能性や美しさを加える「ピールド工法」を実施いたしました。
既存のデッキ材を撤去すると、鉄道の遺構が姿を現します。
珍しい光景に、SNSなどでも多くの投稿があり皆様の注目を集めたようです。
撤去、改修した床板は写真のように、傷み具合で3種類に仕分けし、
木材劣化診断士による診断、選別により再利用可能な材を工場に送り、
床板表面にピールド加工を施し、きれいな状態にして再度現場に戻します。
その加工の間に、下地構造を木造から鋼構造に作り替えます。
5月初旬に工事を終え、1カ月ほど経った状況。
3列ある左側がほぼ新規材、真ん中と右側には新規材も混じりますが、
ほぼ再利用材。新旧まったく見分けがつかないくらいです。
1997年にデッキ歩道として整備されたそうですから、27年も屋外に晒されたイペ材が
新品の材と変わらなく蘇ったというのは、すごいことだと思います。
来年以降もこの工事は続いていくと思います。
少しづつリニューアルしていく様を、ご期待いただければ工事関係者一同
これ以上の喜びはありません。
※注目度の高い場所での工事のため、各メディアでも工事の様子を報道いただいたようです。
【NHK(情報番組)】
2024.4.5 NHK総合「午後LIVEニュースーン」
⇒汽車道上空からヘリコプターで、工事の状況等について中継。
【読売新聞】
2024.4.30 朝刊地域欄(横浜)に汽車道改修工事について掲載。