水上の八ッ橋改修です。

この案件の最大の課題は、「川の水を抜くことができない」ことです。

通常の工事であれば、水を抜いた状態で基礎工事、支柱を立てていくことになるのですが、

今回は下流に生息する魚や生き物に影響するため、一切水を抜かないことが条件になりました。

さらに地中には従前の八ッ橋基礎のコンクリートが八ッ橋の幅より少し広めに埋まっていることが判明しました。

環境への負荷を最小限にできる杭式基礎をご提案しましたが、地中障害物や水中施工が問題になります。

杭打機は電動工具なので、水没する状態では使用できません。

そこで考えたのが、杭に構造支柱を取り付けた状態で打込みする方法です。

 

・・・という感じで水中に支柱が施工できました。

 

コンクリート基礎を避けるため、そのさらに外側に杭を打ちます。

通常は既存解体をしてから新設施工ですが、今回は既存八ッ橋を足場としてその周りに杭打ちをしてからの解体としました。

この工法も、改修工事ならではの工夫と言えるでしょう。(そこが改修の面白いところ。)


引抜試験も実施しました。水面に近いぬかるみでも13kNの引抜き強度を確認し、構造的には問題ありません。

鋼構造と、人工木デッキにより耐久性の高い安全な八ッ橋に生まれ変わりました。