思わず頬ずりしたくなるくらい、針葉樹は柔らかくて肌触りのよい材です。
古くなった木桟道の改修工事を行いました。
床板は多摩産材を防腐処理しています。AACという薬剤は無色透明なので、スギ材の風合いがそのまま生かせます。
基礎は既存の木杭に替えて、鋼管杭(スクリューパイル)を使用します。
「螺杭」は小型の電動工具で施工でき、逆回転で引き抜くこともできるので、杭の再利用も可能です。
沼地でも、なかなか良い値が出ました。
基礎から根太までの下部構造は、溶融亜鉛メッキHDZ55およびZAM材に重防食塗装を施した鋼構造としました。
木杭よりも見た目がすっきりしているのがお分かりいただけるかと思います。
下部構造を濃い色にして、床板が浮遊して見えるような効果を狙いました。
耐久性のある下地に対して、床板は優しい木肌の地場産スギ材です。
耐用年数が異なるので、将来的には床板だけ張り替えられるように、ボルトナット構造に工夫をしました。
自然の中での作業は本当に気持ちがいい!(※天気がよければね・・・)
春先の現場は最高です!
これまで人工木やハードウッドを多く扱ってきましたが、針葉樹もなかなか良いなと思った現場でした。
特に伐採期に入った日本の森林資源の利用方法を考えると、床板はただ長持ちすればよいのではなく、10~15年周期くらいで取り換えていくという考え方もありではないでしょうか。
そうやって、日本の森林資源を循環させていくこと。
日本の林業の未来。
ハードウッドを外国から輸入するのは、本当によいことなのか?
いろいろ考えさせられた現場でした。